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1940年代に、パン酵母から抽出した物質に『ザイモサン、zymosan』と命名しその後、1960年代にパン酵母の細胞壁から高分子多糖体を抽出し、その物質に「β‐1.3Dグルカン」と命名しました。1990年以降は、アメリカやヨーロッパでもパン酵母由来β‐1.3Dグルカン:糖鎖成分の研究が多くの大学や研究機関で行われるようになり、現在では世界中で6,000件以上もの論文があります。その中にはインフルエンザなどウイルスに対する有効性などの検証論文も確認されております。
日本では製薬会社が国立ガンセンターと共同でシイタケからベータグルカン:糖鎖成分の一種である純粋なレンチナンを抽出・精製する手法を開発し、1985年には抗ガン剤としての承認を受けています。現在は胃ガン患者などに化学療法と併用する薬剤として利用されています。この効果は腸管免疫の影響もあるのではないかといわれています。
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『日経ヘルスサプリメント辞典より』以下抜粋 ベータグルカン:糖鎖成分とは、きのこや酵母などに含まれる多糖類。食べると免疫力が高まる為、がんに効くとして研究が進められている。グルコース(ブドウ糖)が多数、β結合と呼ばれる結合方式で手をつないだ物質。グルコースがα結合したでん粉とことなり、食べても胃腸で分解消化されず、腸にたくさんある免疫担当細胞に働きかける。シイタケやカワラタケから抽出したβグルカンは、癌に有効な免疫力を高める医薬品として日本で実用化されている。
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ベータグルカン(βグルカン:糖鎖成分)は、キノコ類や海藻類、酵母などに含まれている天然成分素材で、Poly(1-6)-Glucopyranosyl-(1-3)b-D-Glucopyranoseと呼ばれる糖(砂糖の成分)が数多く連なった高分子多糖体であります。ただし砂糖のように血糖値を上げるような事はありません。ベータグルカン:糖鎖成分は3重らせん構造を有し、ロープのように編みこまれており、それらがカイコのまゆの様に互いに絡み合い、酵母の細胞壁を形成していることがわかっています。 ベータグルカン(βグルカン:糖鎖成分)の中でも、パン酵母由来の1.3と1.6の部分に結合連鎖を持った高分子多糖体は、アメリカのTulene医科大学のNicholas DiLuzio博士が酵母細胞壁から同定したところから始まっており、現在も免疫調整物質(免疫力を高めたりする作用を持った物質)として研究対象となっているのはパン酵母由来のβ-グルカン:糖鎖成分が主流であります。
欧米などではパン酵母由来のベータグルカン(βグルカン:糖鎖成分)は健康維持に役立つ機能性食品として知られています。パン酵母由来βグルカン:糖鎖成分は2007年7月時点で動物やヒトによる治験発表例は6000件に上り、多くのことが分かってきています。
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最も単純で原始的な腔腸動物は、体が腸管だけからできており人間の祖先とも考えられています。そのため人間も同様で口から肛門までの1本の消化管からできており、この周りに肝臓、腎臓、肺などいろいろな臓器が付随しています。生命を維持するためのエネルギーを摂取する腸管は生物にとって最も基本となる原始的な器官ということになります。
人間は毎日の生活の食するという行為の中で腸管は様々な病原微生物やアレルゲンに対して、テニスコート1.5面分に相当(全身の抗体産生細胞の70〜80 %は腸管)の粘膜面を介して直接暴露されています。スイスの医師パイエル氏は腸管にドーム型をした粘膜上に隆起を発見しました。パイエル板 (Peyer’s patch) と名付けられたその隆起には、IgA産生細胞の前駆細胞の集合体であることが確認され、その上皮細胞層にはM細胞と呼ばれるウィルスや細菌に代表される病原微生物、アレルゲンなど異物を取り込む専門細胞(免疫担当細胞)が存在しています。現在この部分では第一線の生体防御機構として働く重要な粘膜免疫システムの存在が確認されましたがいまだ完全には解明されていません。 |
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腸管腔内に入ってきた抗原は、パイエル板のM細胞を通って体内に取り込まれ、そしてパイエル板のなかで免疫応答がおこります。また、一部の抗原は腸管上皮細胞の間隙を通過したり、腸管上皮細胞内に取りこまれ体内に入ります。このように抗原が腸管免疫系と接すると、IgAが産生され免疫システムが稼動されたり、※経口免疫寛容が誘導されれます。
CR3(CD11b/CD18)とdectin−1がベータグルカン(βグルカン:糖鎖成分)の受容体(免疫を作動させるためのスイッチ部分のようなもの)であることが現在のところわかっております。dectin−1については腸管の樹状細胞に発現していることが知られており、樹状細胞がベータグルカン(βグルカン:糖鎖成分)を直接取り込む可能性も考えられています。その後、免疫に影響を与えていると考えられています。
2006年学術誌『ネイチャー』にそのメカニズム概要の一部が報告されております。
※経口免疫寛容とは 蛋白抗原を血管内に注入すると、免疫系はこれに対して過敏な反応をおこしショック死する場合もあります。しかし、一般的には同じ蛋白抗原を口からとっても消化酵素等で分解されて吸収されて抗原性を失ってしまうから何の反応もおこりません。つまり非自己を自己に変換させているからといえます。しかし、食べ物によっては全身性のアレルギーを起こす人がいます(食物アレルギー)。一般的に腸管では過敏な免疫反応がおきないような仕組みがあり、これを経口免疫寛容と呼んでいます。消化管粘膜の免疫の仕組みは生物にとって極めて複雑であり、いまだ充分には解明されていません。 |
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抗生物質の使用などにより幼児期の腸内免疫バランス異常が慢性的なアレルギー症状との関連性があるといわれている衛生仮説というものがあるように、腸管の免疫は多くのアレルギー疾患や自己免疫疾患に関連しているという説が多く存在しています。 今現在この免疫機構を利用して慢性関節リウマチを予防したりアレルギー性脳脊髄炎を予防するといった試みがなされています。また、粘膜ワクチン開発にも向けて動き出している模様です。この免疫機構を解明することは今後の健康食品等の作用機序を考えていく上で無視できないと考えられます。
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